2019年1月22日火曜日

ゴッホ、シャガールの絵は上手いのか? No.1

ゴッホ、シャガール、この二人の画家が上手いのかどうなのかと論ずるとは、おこがましいことなのですが、実は、教室の生徒さんから、このような質問を受けたので、ちょっと一般的な絵画鑑賞の立場から分かりやすいようにと、ブログにまとめてみました。(-_-;)


一般に絵が上手いとか下手だとかいうのは、デッサンを指しているように思いますね。
いわゆる、写実的な造形がしっかりとなされているかという点ですね。

もし、その観点だと、ゴッホやシャガールを、一般の視線から問えば、ちょっと否定的な意見が多いのではないかと思います。

それをある程度、把握するには、つまり、この画家の作品の評価を考えるなら、美術評論家のような人々の辿る道を、一緒に沿ってみる必要がありますね。


そのポイントは美術史にあります。


美術史に於ける絵画の評価、いや、そんなに堅く考えずに、歴史を紐解くように、しっかりと流れを掴めばどうだろうかということになります。



美術史、それほど遡らずに、ルネサンスの前期辺りから開始してみましょう。

ルネサンス前期の画家を三人上げるとすれば、フィリッポ=リッピ、フラ=アンジェリコ、サンドラ=ボッテェチェルリが妥当だと思います。
その作品を鑑賞してみましょう。



フラアンジェリコ・・・・・・天使のような僧侶という意味を冠された画家は、その生涯も、描く作品もそれにふさわしかったようです。






この作品は、フラアンジェリコのもっとも傑作と云われていますサンマルコ僧院のフレスコ壁画です。題名は「受胎告知」。





こちらはフィリッポ=リッピの聖母子と二天使です。




リッピは世俗的で、なまぐさ坊主といわれますが、それは画家が修道女と駆け落ちしたことや還俗して結婚したことなどがそのように非難されたのですが、そのような生きざまは同時に、絵画のマリア像に人間味感じさせるような表現に通じたとして高く評価されています。

それまで、ルネサンスを代表する絵画、特にその宗教画の多くが、象徴的、神聖なるもの、超人的な表現として描かれていたのですが、人の息遣いを思わせる最初の絵だという評は画家が最初だと云われています。

つまり、リッピは、人間の個性を絵に盛り込んだということなのですね。




そして、そのリッピの弟子ボッティチェリが登場します。
ボッティチェリの最も有名な絵画は二点あります。

まずは、春(プリマヴェーラ)




中央は、ヴィーナス(若干右寄り)、その右が花の神、フローラ、




そして、おそらく、世界で最も有名な絵画のひとつであろうといわれている「ヴィーナス誕生」ですね。




ボッティチェリの絵画は、人間の個性を盛り込むという点で、師匠のリッピに引き継いで、ほぼ完ぺきに表現しているように思えます。

この頃の哲学として「新プラトン主義」の流行・・・・ルネサンス期では、美に対するプラトニック愛によって、神の領域に近づくという考えが芸術家に影響を与えたとありますから、この作品も例外ではないでしょうね。

左の息を吹いているのが、風の神ゼフュロス、右側には時の神ホーラ。

ボッティチェリはヴィーナスについて、首の角度や等身の比率、腕の長さなどデフォルメ化していますから、日本美術でもそうであるように、デフォルメに関すること、つまり、美的表現についての創造はかなり古くからなされているようですね。

この絵が1815年までフィレンツェのメディチ家の別荘に隔離されていたということから、300年間、その絵が世に知られなかったというのは、つまり、この絵を鑑賞できたのが、当時と1815年以降の人々に限られているというのも感慨深いものがありますね。

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